「いち豆。」の岡田さん、とびきりの笑顔で迎えてくれた
入口に構える大きな割り箸小屋。COMMUNE 246に来れば誰もが一度は目にするこの小屋が、岡田さんが立つ大豆と発酵食のお店「いち豆。」だ。岡田さんと大豆の関係を遡ると、アメリカに辿り着いた。
「いち豆。」
大豆と発酵食の店。国産の農薬や化学肥料を使わない大豆で、一つ一つ丁寧に盛り込みをした手づくり納豆や、産地指定したフレッシュな果物や野菜を使った豆乳スムージーを販売する。特に納豆にはファンが多く、毎日のように納豆を買っていくお客さんもいるとか。
Words: Jun Kuramoto
Photography: Shin Hamada
割り箸に包まれた「いち豆。」のフードカートには、「納豆有り」の文字
岡田さんは、東京オリンピックの前の週に渡米し、アメリカ・オークランドで20年間過ごした経歴を持つ。当時は向こうの大学へ通っていたそうだが、学費が上がってバイトばかりしていたのだとか。そんな日々にひょんなことから広大な土地を持ったアメリカ人と知り合い、そこで育てた豆を日本へ輸入した「いち豆。」オーナー本木さんのお父さんと一緒に、駅ビルで納豆を売り始めたのが、店を始める最初のきっかけだったそう。
昔は販売に苦労したそうだが、「その時に声を掛けてくれたメーカーの方と築いた信頼関係がある」と、元々出店していた週末のファーマーズマーケットだけではなく、毎日営業できるここでの出店を決めたのは、他でもないお世話になった人たちへの恩返しの為だったのだ。
豆乳スムージーと、岡田さんのイラストが描かれた納豆
お店の商品は全て自身で選定したもの。自分が信じたものをどれだけ相手に伝えることができるかが重要だと語る。「どんなに良いものでもそれを怠ると売れないんだよ」。手づくり納豆のパッケージには岡田さんの似顔絵が。これは病気を患う患者さんの為のもので、良いものを食べて欲しいという岡田さんの優しさが描かれている。
そんな岡田さんから若者へ向けて一言。「勉強せい!」。大きいところでNo.2になるよりも、小さいところでいいからNo.1になって何でも自分でやること。人生一度きり、楽しく生きなきゃ損だよ!と笑い飛ばして語る岡田さんが印象的だった。岡田さんは今日もお店に立ち続けている。立ち寄った際には是非話してみて欲しい。
岡田さんに会いに行く